黒澤映画「天国と地獄」

 

この映画、あらすじを聞いただけでわくわくしました。

ネタバレ満載なのでこれから観るかたはご注意。

 

ちなみに権藤役は三船敏郎さん。犯人竹内役は山崎努さん。

 

 

 

 

突然、主人公の権藤に、

「お前の子どもを誘拐した」と犯人から電話があります。

 

犯人は権藤に3,000万円を要求。

 

権藤は「金ならいくらでも払う。金なんかまた作ればいいんだ」

と言い、子どものためには何でもする覚悟です。

 

実は権藤は5,000万円のまとまったお金がありました。

それは、権藤が常務を務める製靴会社『ナショナル・シューズ』社の経営の実権を手に入れるため、密かに自宅を抵当に入れてまで自社株を買占め、

その頭金に5,000万円の支払いを明日に控えていたのです。

 

自社株の買い占めに失敗すれば、権藤は社長重役から逆に会社から追い出される立場にあったのです。

しかし、子どものためにはそういう事情はどーでもよくなりました。

 

そんなとき、権藤の息子が帰ってきたました(驚き)

 

イタズラ電話だったと安心していたのも束の間。運転手の子どもが見当たりません。

 

そうです。

犯人は権藤の息子ではなく、間違えて一緒に遊んでいた運転手青木の息子を誘拐していました。

 

そうなると、権藤にとっては事情が変わります。

自分の息子でないのならお金は払えないとなります。

 

ですが犯人は電話でこう言います。

「子どもを間違えた。だけど、子どもが誰の子だろうと構わない。3,000万円は(権藤)お前が出すんだ」

「あなたに子どもを見殺しにする度胸はない。あなたはきっと出すよ」

 

 

原作はエド・マクベインの『キングの身代金』

原作では身代金の受け渡しの時に犯人が捕まるラストらしいのですが、

この「天国と地獄」では犯人は身代金を無事手に入れます。

子どもも無事に戻ります。

 

さーて、ここから犯人を追いかけます。

・・・・・

 

えさて、

このあとどう展開していくんだろうと気になる話しの緊迫感とラストの権藤と犯人(竹内)の面会での会話好きでした。

 

犯人の竹内は貧しい環境に住む研修医です。

「3畳の部屋から見上げるとあなたの家は天国に見えた。毎日見上げているうちに、だんだんあなたが憎くなってきて、その憎悪が生き甲斐みたいになってきた」

 

事件後、権藤は借金の抵当に入れていた自宅を差押えされたが、新たな製靴会社で再起を図り前向きに生きている。

一方、犯人の竹内は警察の努力により死刑になり刑を待つ身になった。

 

天国と地獄。

 

 

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