映画『日本のいちばん長い日』 半藤一利

 

映画:日本のいちばん長い日(2015年)

 

原作:半藤一利

玉音放送を通じてポツダム宣言受諾を知らせる8月15日正午までを描いている。

 

簡単に言えば、戦争を終結させるためにこんな事があったんだよって教えてくれる映画です。

 

大きな出来事は宮城事件です。

 

宮城事件(8.15)に関わりを持っていた、竹下正彦が執筆した1945年8月9日から15日までの『大本営機密日誌』の手記の閲覧を許された半藤一利さんは、それをベースに事件を起こした将校の動きを執筆したので原作はリアルなものだと思います。

 

2015年版の映画では鈴木貫太郎首相と阿南惟幾陸相のふたりが戦争終結欠かせない人物であります。

鈴木貫太郎首相は「この戦争は、自分の内閣で終わらせる」

 

阿南惟幾陸相は、戦争を終わらせたいけど将校が納得できる形でないと終わらせる事はできないので、なんとかして将校を納得させて穏やかにポツダム宣言受諾をしたい。と思ってたのではないのかというのを感じました。

なので、阿南さんは表向きはポツダム宣言受諾を反対していました。(←これは映画を観ての僕の感想です)

 

阿南(あなみ)さんを、「あなん」と何気なく言うのは関係性を感じます。

 

さて、

 

戦争終結に向けて動いていた方々にスポットライトを当てている映画なので英雄に感じますが、そもそも、戦争そのものや、戦争を継続するための言論弾圧などが正義とされているのが当時です。

 

 

半藤一利さんは著書「語り継ぐこの国のかたち」で、日本国が腐っていく姿を、明治の日露戦争から太平洋戦争終結頃を中心に書いています。

んで、知らないことだらけでした。

 

 

『起きると困るようなことは起きないという事にする』というような、非常識な常識。

 

言論の自由というものは、ある日突然に奪われるというものではありません。権力によって外堀から内堀へとじりじりと埋められていって、いつの間にか「自由」は動きがとれなくなる。

 

何かが悪い方に動く時は、知らないうちに決まっています。

という事など。

 

 

えさて、半藤一利さんの「語り継ぐこの国のかたち」

 

日本という国が出来て、日本という国が滅びるまで。

 

ペリーが1853年に浦賀に来て、朝廷が開国しようと決めたのが1865年、近代国家を作ろうと決めたのです。

それから国作りを始めて日露戦争に勝ったのが1905年。

世界の堂々たる強国になり、独立国家を完成したのが日露戦争に勝利した1905年。

 

40年で日本という独立国家を完成させた。

 

 

そして、うぬぼれた日本は、

その40年後、世界を相手に戦争をして国を滅ぼしたのが昭和20年。

 

1945年。

国を作るのも40年、滅ぼすのも40年。

 

 

 

阿南惟幾陸さんや畑中健二少佐、椎崎二郎中佐は玉音放送を聞く前に自害ました。

 

 

日本の歴史を知ることができた映画でした。